本日も快晴です(2018/3/13)

こんにちは。ブログ担当のNです。

今日も天候に恵まれ、発掘調査は順調に進んでいます。
後円部では、昨日に引き続き平面図の作成が行われました。

発掘調査では掘削して、遺物を掘り出すだけではなく、
検出された遺構、時には出土した状態の遺物を正確に記録する作業が大切です。
この調査でも図面を作成する作業が本格化してきました。

検出された岩盤

万籟山古墳の後円部トレンチでは、古墳が立地する山の岩盤が露出しました。
この性格については現在精査をしているところですが、
墳丘が岩盤によって不整形になった可能性があります。

クビレ部ではさらなる墳丘構造の解明のため、トレンチの拡張を行いました。

明日以降拡張部の平面精査を行い、基底石列の検出を目指す予定です。

本日は宿舎に帰るとOBの方から差し入れが届いていました!
文旦です。
柑橘の女王、文旦です。

ブンタン4姉妹

おいしい差し入れに、発掘調査の疲れも一気に解消します。
明日以降も引き続き、調査に邁進していきたいと思います。

後円部は図化作業、くびれ部は引き続き掘削(2018/3/12)

こんにちは。ブログ係のNです。

本日も万籟山古墳の発掘調査は進んでいます。

後円部では図面作成が行われています。

花粉症のためマスクは欠かせない

図面を描くのは難しいですが、なんとか仕上げていこうと思います。

前方部では先日あらわれはじめた基底石周辺の掘削が引き続き行われました。

今日の調査では後円部の発掘で明らかになった墳丘構造との一致点がわかりはじめました。

福永先生による遺構の検討

明日も調査終了に向けて、作業を続けていきます。(N)

図化作業を開始しました。(2018/3/11)

こんばんは。
ブログ係のHです。

調査も佳境に入り、掘削によってわかったことを図面にする作業が開始しました。

 まず、出土した葺石を図化する前には、石の形がはっきりわかるよう、すきまの土を取り除かなければなりません。葺石を見やすくしたあとは、図化するときに必要な「軸」となる糸をトレンチ内に張ります。

 これらの作業を終えると、図面を描く作業に入ることができます。こうした図面や写真をまとめたものが「発掘調査報告書」と呼ばれるものです。調査区は調査が終わると埋め戻されてしまいます。ですから、こうした図化作業は、調査に携わったり、見学できない多くの方に客観的な情報を提供する重要な作業です。


平面図をかく院生のN氏

 また、くびれ部のトレンチでは、先日検出された葺石の位置と標高を昨年度の調査成果と照らし合わせる作業を行いました。具体的にはトータルステーション(TS)とレベルを用い、葺石の位置と標高を確認しました。TSは基準とした点からの正確な距離を測る機械です。レベルは標高を測るための機械です。


TSを操る1回生・4回生・院生混合チーム

 宿舎に帰ったあとは、TSとレベルの測量結果を図化し、昨年度の調査成果と照らし合わせました。院生を中心に今年度の調査結果について熱い議論が交わされました。


膝を交えて議論する学生たち

明日以降も掘削および図化作業が続きます。根気のいる作業ですが、今後もがんばっていきます。

万籟山古墳について(2018/3/10)

こんばんは。メディア班のIです。

本日は気温も回復し、団員たちは暖かな春の日差しの中、調査を行いました。
調査開始からほぼ2週間がたち、現場も折り返しを迎えようとしています。
そこで今日は万籟山古墳について、既往の研究で指摘されてきたこと、
おととしからの阪大の調査で分かってきたことなどをもう一度おさらいしておきましょう。

万籟山古墳は古墳時代前期(3世紀半ば~4世紀)に築造された、
前方後円墳(鍵穴状の形状を呈す古墳)です。
1930年代に調査され、竪穴式石室という埋葬施設を持つこと、
埴輪や石製品などが出土することなどが明らかになっていました。
(詳しくは本ホームページの「万籟山古墳について」を参照してください)


一次調査の一幕。うっそうと茂る樹木は調査員を阻むかのようであった


調査により後円部の高まりが明瞭になった

大阪大学考古学研究室は、2015年度から、
猪名川流域の古墳築造動向を探るプロジェクトの一環として、
この万籟山古墳を調査してきました。

おととしからの成果をまとめておきましょう。
①はじめて万籟山古墳の墳丘を発掘調査した
 これまで万籟山古墳における調査は、埋葬主体部や地形測量に限られていましたが、はじめて発掘調査によって墳丘に関する確定的な情報を得ることができました。
②墳丘規模の確定
これまで万籟山古墳の墳丘長は、54mとの推定が有力でしたが、阪大の発掘調査によって64mであることが判明しました。
また前年度の調査では、前方部トレンチで基底石・葺石を検出し、墳丘端を確定しました。
今年の調査では、前方部と後円部との接合箇所を確認すること、埴輪列を検出すること、後円部端を確定することをねらいにしています。


前年度の前方部調査区。基底石と葺石の並びがよくわかる

第3クールは遺構の図化作業に入っていきます。
成果は随時、ブログで公開していきますので、ご期待ください!

万籟山の一番寒い日(2018/3/9)

こんばんは。ブログ担当のIです。

雨上がりの本日は気温が低く、午後からはみぞれが降りしきるなど、
調査にはいささか厳しい状況ではありましたが、
団員たちは熱いハートをもって、作業に励みました。

しだいに遺構の性格がつかめてきた後円部調査区では、
壁面の清掃や、TS(トータルステーション)という測量機器を用いて
割り付け(考古学の図面は方眼紙を用いて書きます。割り付けとは、機材を使って正確な距離で釘をうち、そこに糸を張ることで、方眼紙のマス目を実際の遺構上におとしていく作業になります)を行うなど、
以後の断面図・平面図作成にむけた下準備をしました。
このような地道な準備が、正確な図面作成につながるのです。


ダイナミックに掘削するときもあれば、繊細な技が求められる時もある

さて、今日のような寒い日、食べたくなるのがインドカレーですよね。
阪大考古学のメンバーはみんな、無類のインドカレー好きです。
そんな思いが通じたのか、宿舎に帰った我々を待っていたのはなんと!


ナマステ(こんにちは)とダニャワール(ありがとう)が口癖
3回生のまとめ役W氏

以心伝心と言わざるを得ない瞬間でした。

ふたたびの雨 (2018/3/8)

こんばんはブログ担当のNです。

本日は雨のため、屋内で出土埴輪の登録作業と、洗浄作業を行いました。
多くの学生が作業に参加し、作業もスムーズに進んでいます。

今年度の調査ではくびれ部トレンチから、多量の埴輪が出土しており、万籟山古墳に樹立されていた埴輪について、より多くの情報がもたらされることが予想されます。

明日以降も今日得た知見を活かして、発掘調査を行なっていこうと思います。(N)

その絆は基底石のごとく(2018/3/7)

こんばんは。ブログ担当のIです。

本日も掘削作業を継続し、遺構を精査しました。

クビレ部調査区では、大量に検出された埴輪片の
写真撮影を行いました。
考古学の調査では、遺構の様子や葺石・遺物の出土状況を
こまめに写真にとる必要があります。
デスクワークだけでなく、発掘の技術や機材の扱いなど、
考古学を学ぶ上では様々なスキルが求められるのです。


画角やピント、シャッタースピードなどを念入りに確認する


影をつくるサポートメンバーも不可欠だ

また、後円部調査区では基底石とみられるサイズの大きな石が姿をあらわそうとしていますが、
慎重に精査しています。

~特集 涙の別れ~
阪大考古学研究室では、ここ数年、発掘調査を春季に行っています。
春は出会いと別れの季節。
4回生は卒業までの残りわずかな時間を調査団員として過ごします。
今日もS氏が最後の現場ということで、宿舎ではささやかなパーティーが
催されました。


U氏(左:D3)とS氏(右)。師弟関係にあった二人は強い絆で結ばれている

積極的に発掘に参加し、研究室旅行では得意の落語で我々を楽しませてくれたS氏。
我々の絆は基底石のように遠い将来にまで残り続けることでしょう。

転落石を取り除く 2018/3/6

こんばんは、ブログ担当のNです。

現場での掘削作業は今日も着々と進んでいます。

本日はこぶし大の石が数多く検出され、本来墳丘に伴っていた石か、それとも墳丘から転落してきたものなのかを慎重に判断しながら調査を進めました。

また、掘削以外にも、今日は図面作成のための杭打ち作業も行われました。

杭の位置情報を得るため、測量も行われています。

発掘調査は大学の実習で学んだ、測量器具の扱いを実践できる貴重な場でもあります。

明日も引き続き、これらの作業を継続していきます。(N)

雨で現場は中止 2018/3/5

こんばんはメディア班のNです。
本日は朝から降雨が続いたため、これまで出土した埴輪の情報登録と洗浄作業を行いました。

発掘調査ではさまざまなものが土の中から出土しますが、それぞれのものがどの場所・層位で出土したかをしっかりと記録することは非常に重要です。
物がまざらないように慎重に作業を行います。

ていねいに情報を記録する

登録作業が終わった遺物は、土がついているため、丁寧にハケで洗浄します。
初めて発掘調査に参加した学生には遺物に触れる良い機会になったのではないでしょうか。

洗浄しながら遺物の観察も行う。

今週の予報では雨の日がまだ何日かあるようですが、天候に負けず明日以降も引き続きていねいな調査を行っていきます。

~コラム~ 円筒埴輪と古墳の築造年代

今回の発掘調査では円筒埴輪が数多く出土していますが、この円筒埴輪はそれが立てられた古墳の築造年代を知る上で、大きな手掛かりとなります。

例えばスマートフォンの形がシリーズごとに大きくなったり、薄くなったりするのと同じように、実は円筒埴輪の形も時期によって変化していくことが今までの研究でわかっています。

円筒埴輪の編年表(廣瀬時習編2009『百舌鳥・古市大古墳群展~巨大古墳の時代~』大阪府立近つ飛鳥博物館 p.72より引用)

以下では埴輪を観察する際の視点についていくつかみていきましょう。

①焼成…埴輪には窯で焼いているものとそうでないものがあります。万籟山古墳の埴輪は観察すると黒斑という、窯で焼いてない埴輪にみられる特徴が現れています。そのため窯では焼かれていないⅠ、Ⅱ、Ⅲ期に見られるような古いタイプの埴輪であるようです。

②はけ…「はけ」とは埴輪の表面にみられるバーコードのような痕跡なのですが、これは円筒埴輪を形づくる工具が使われたときにつく痕跡と考えられています。埴輪についた土を洗っていきながら、こうした痕跡がつけられた方向などを観察します。

③突帯…突帯とは、円筒状の埴輪の周囲に巻きつけられている粘土の紐のようなものです。この突帯の断面がどのような形をしているのかなども、埴輪の時期をみる手がかりになります。

⑤スカシ孔…スカシ孔とは、埴輪の胴体部分にあけられた窓のような部分のことです。埴輪のスカシ孔には四角形(□)や三角形(△)、円形(〇)をはじめとした様々なものがありますが、時期によって流行する形が違ったりするため、出土埴輪の中にどのような形状があるかを観察することも重要です。

もちろん上記以外にも埴輪を見る視点はたくさんあります。

こうした様々な特徴を、発掘調査の途中はもちろん、調査が終わったあとにも継続して分析・検討していくことが、発掘調査の成果をより正確に評価することにつながっていくのです。

引き続き頑張りたいとおもいます!(N)

考古学な土曜日

こんばんは。メディア班のIです。

土曜日も、調査団員は休まず発掘に励みます。
本日も引き続き掘削作業を継続です。
特にくびれ部調査区では3分に1破片ほどのペースで埴輪が検出され、
活気あふれる調査となっています。
埴輪の多くは破片で出土するのですが、
なかにはのこりの良いものもあり、今後の接合・検討作業しだいでは
たくさんの情報を引き出せそうです。

調査は開始から約1週間が経過し、第1クールが終わりました。
幸い天候にも恵まれ、作業していると暑くなってくるほどです。
明日日曜日は調査を休んで、月曜日からの第2クールでは、
掘削の継続、さらには図化作業に入る予定です。

昼休みには、疲れがたまってきた団員を、おいしいイチゴが癒してくれました。


カーリング代表ばりにイチゴを頬張る