万籟山古墳について(2018/3/10)

こんばんは。メディア班のIです。

本日は気温も回復し、団員たちは暖かな春の日差しの中、調査を行いました。
調査開始からほぼ2週間がたち、現場も折り返しを迎えようとしています。
そこで今日は万籟山古墳について、既往の研究で指摘されてきたこと、
おととしからの阪大の調査で分かってきたことなどをもう一度おさらいしておきましょう。

万籟山古墳は古墳時代前期(3世紀半ば~4世紀)に築造された、
前方後円墳(鍵穴状の形状を呈す古墳)です。
1930年代に調査され、竪穴式石室という埋葬施設を持つこと、
埴輪や石製品などが出土することなどが明らかになっていました。
(詳しくは本ホームページの「万籟山古墳について」を参照してください)


一次調査の一幕。うっそうと茂る樹木は調査員を阻むかのようであった


調査により後円部の高まりが明瞭になった

大阪大学考古学研究室は、2015年度から、
猪名川流域の古墳築造動向を探るプロジェクトの一環として、
この万籟山古墳を調査してきました。

おととしからの成果をまとめておきましょう。
①はじめて万籟山古墳の墳丘を発掘調査した
 これまで万籟山古墳における調査は、埋葬主体部や地形測量に限られていましたが、はじめて発掘調査によって墳丘に関する確定的な情報を得ることができました。
②墳丘規模の確定
これまで万籟山古墳の墳丘長は、54mとの推定が有力でしたが、阪大の発掘調査によって64mであることが判明しました。
また前年度の調査では、前方部トレンチで基底石・葺石を検出し、墳丘端を確定しました。
今年の調査では、前方部と後円部との接合箇所を確認すること、埴輪列を検出すること、後円部端を確定することをねらいにしています。


前年度の前方部調査区。基底石と葺石の並びがよくわかる

第3クールは遺構の図化作業に入っていきます。
成果は随時、ブログで公開していきますので、ご期待ください!

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