誰よりも速く。そして、なによりも精密に。

こんばんわ。ブログ担当のUです。

いよいよ作業も大詰め。本日も、主に機器を用いた作業となりました。

今日おこなったのは、「閉合(へいごう)トラバース」と呼ばれる作業です。

頼りになる兄貴分。狙った獲物は必ず仕留めるH選手(4回)

閉合トラバースは、調査中に打ち込んだ木の杭などが、実際の地図で見た場合にどこにあるのかを正確に測定する、いわば遺跡の骨組みを確定するような重要な作業です。

各杭の真上に器械を設置し、杭と杭の間の距離、複数の杭間であらわされる角度などを測定します。こういう精密測量があることを知ると、考古学が文学部にあるのは不思議な感じがしますね。

最終的に、すべての杭を頂点とする多角形の、辺の長さや各部の角度を確定することで、相互の杭の正確な位置関係をよみとることができるのです。

古墳に設置した杭と、それらをむすぶ線で多角形が形成されています。これを「トラバース線」といい、地図上に古墳の位置を正確におとしこむ際の基準となります。(図:文化財保護委員会1966『発掘調査の手びき』より)
丁寧かつ慎重派の三脚名人N選手(3回)
スピードに定評。安定の水平職人I選手(3回)

各人、測量機器をたてるスピードを競い合うように機器を立てています。お互いのライバル心に火が付いたようです…
しかし、急ぐ中でも各選手、慎重に機器をあつかっているところに、普段の練習の成果がでていました。さすがです。

 

さて、調査を終え宿舎に戻ると…

疲れた表情のなかにも喜びを隠しきれない調査団員

Pizza!!

ピザパーティがおこなわれました!ピザは万人を幸せにする食べ物ですね。

みんなでおいしくたいらげました(U)

写真撮影です!

こんばんは。ブログ担当のUです。

休みから一日あけ、本日は写真撮影がメインの作業となりました。

今回の調査では、美術・文化財を専門とするカメラマンの寿福滋(じゅふく しげる)さんに、大判カメラでの撮影を依頼しています。今日はそれにあわせてトレンチの清掃を行いました。

後円部の調査区(墳丘の上から裾方向を見下ろしています)

写真でおわかりのようにすごい傾斜です。足腰にキます。しかし時間は限られているので、頑張るしかありません!

努力の甲斐あって、なんとか時間までに清掃を終えることができました…

大判カメラの撮影をおこなう寿福さん

無事に撮影は終了。寿福さん、ありがとうございました!

 

細部の写真を一眼レフカメラや35mmカメラをつかって撮影するのは大学院生の出番。土を掘り起こすことですすめる発掘調査は、掘った土を完全にもとに戻すことはできず、それゆえにある意味で破壊行為をいえます。しかし、適切に記録することで発掘調査現場をみることのできない方も検証することが可能となります。したがって写真撮影はかかせない作業です。スマホでなんか撮らないぜ!

すこしでも良い写真を撮影するため、なかなか雲がこないことにやきもきしながら、頑張って撮影をおこないました。

遺構の写真を撮影する際には、つよい直射日光などで明るいところと、日光があたらず陰になっているところの両方があると、全体像がみえにくい、まだらな写真になってしまいます。とくにカラー写真だけではなく、モノクロ写真も撮影しますので、陰影がつよくなると良い写真になりません。

ですので、基本的に太陽に雲がかかって、直射日光が遮られた瞬間を狙って写真撮影はおこなわれます。

しかし、場所や状況によっては、日除けの幕などで直射日光を防ぎ撮影をおこなうこともあるのです。

上の写真は、日除け幕を使おうとしているところです。うまく直射を避けられるよう、カメラを覗きながら日除け幕の位置を指示しています

雲がうまく太陽にかかってくれるかどうかは運しだいなので、写真撮影にはじっとたえる根気が必要なのでした。

 

 

また、調査もおわりに近づいているということで、今日参加したメンバーで記念撮影!

今日はすこし人数が少なかったのですが、思い出の一枚となりました

(U)

 

記者発表

こんばんは。ブログ担当のNです。

今日は、万籟山古墳の発掘調査成果を新聞社等の方にお伝えする記者発表をおこないました。発掘調査の晴れ舞台といったところですね。

特別に古墳までおこしいただき、今回の調査にどんな学術的な意義があるのか、発掘調査でなにがわかったのか、といったことをわかりやすくお伝えします。

記者発表風景

きれいに掃除した発掘調査区をカメラで撮影していただきます。

成果を記者さんにわかりやすくお伝えしています

古墳のこと、発掘調査のこと、この地域の遺跡のこと、記者さんが疑問に思うことをお答えすることも大切です。

記者の方の質問にも答えます

記者さんも一生懸命に成果内容をメモ。

ちなみに、記者発表のあいだ、調査団メンバーは、こっそりと万籟山2号墳の築造中!?

あらたな古墳築造中?!

ともあれ、こうして無事に記者発表をおえることができました。

さまざまな媒体で記事になって、万籟山古墳の調査成果がいろいろな人に知っていただけるとうれしいですね。

なお、調査現地はアクセス路のない山中に加えて民地内でもあり、今回の調査では現地説明会など、成果をひろく現地でみていただく機会を設けることができません。

調査の成果につきましては、宝塚市教育委員会とご相談しながら後日、成果報告会などを開催したいと考えておりますのでご了承下さい。

明日は、発掘調査はひと休み。

あとは写真撮影と図面作製作業がすこしのこっていますが、埋め戻し作業をすすめていく予定です。(N)

ラストスパートです!

さて、いよいよ現場も終盤にさしかかってきました。作業も大詰めです。
さいわいにして、本日は天候にたたられることもなく、無事調査を行うことができました。

その日の作業をはじめる前に、担当する調査区の先輩から、作業内容についてあらためて説明を受けています。
作業のおおよその流れは前日の夜に確認しているので、あとは自分の役割をしっかりこなせるかが勝負です!

神妙な面持ちで先輩の指示を聞く調査団員たち

最初は機器に不慣れだった調査団員も、この調査の中で使い方に慣れてきたようです。レベルをセッティングするスピードも速くなってきています。

来年度は後輩におしえる立場となりますので、しっかりとマスターしていきたいところです。

こちらは清掃です。小さい礫がたくさん使われている葺石部分には、風などで運ばれてきた砂ぼこりがすぐにたまってしまいます。

地道な作業ですが、根気よくがんばっています。

大学院生も、調査終了に向けてラストスパートです。
限られた時間のなかで情報の取り残しがないよう、最後まで油断せずに頑張っています。

調査の終了もせまり、各員疲れもたまってきていますが、宿舎に帰るとうれしいサプライズが!

なんとお味噌汁のお椀の中に古墳が!測量しなければ…

いつもユニークな差し入れをくださるOGの方が、古墳好きの多い研究室をおもんばかって送ってくださった「古墳こんにゃく」です。ありがとうございました!

現場では古墳をみて、宿舎では古墳を食べるという、まさに古墳尽くしの一日でした。(U)

雨の時は早めに撤収

こんばんは、本日はNがブログを担当です。

本日は天気が心配でしたが、なんとか作業を進めました。雨ではないものの、冷たい風が山の上で吹き荒れる中での作業でした。調査団員も、自分自身や図面が風にあおられないようなんとかこらえておりました。

過酷な天候により皆の体力もいつもより奪われました。

夕方、雨もはげしくなってきたので、作業を中断。

トレンチにブルーシートをかぶせて、雨風に検出面がさらされないように保護します。こういうとき、チームワークが試されます。

 

冷えきった体を、生活当番特製のロールキャベツのスープで温めました。

雨にも負けず、風にも負けず、花粉にも負けず、宿舎のせまさにも負けず、明日も頑張りたいと思います。(N)

万籟山古墳と長尾山古墳

こんばんは。ブログ担当のNです。

本日は、寒風ふきすさぶ中での調査となりました。

花粉もたくさん飛んでおり、花粉症の調査団員にはつらいです。

上の写真は、このブログでも何回か登場した「トータルステーション」の箱です。

とても重く、これをもって万籟山古墳にたどりつくまで山道をのぼることはある種の修行にも思えます…

 

本日も引き続き図化作業です。

調査終了後に、足りない情報が見つかってももはやあとの祭りですので、何度も取り残した情報がないかを確認しました。

本日も差し入れをいただきました!寒さもふきとぶ極上の甘さでした。

〈コラム:長尾山古墳について〉

さて、きょうは万籟山古墳からみえる長尾山(ながおやま)古墳についてご紹介します。

長尾山古墳の位置

兵庫県宝塚市長尾山古墳は、2007年から2011年にかけて私たちの研究室で発掘調査をおこなった、墳丘長41mの前方後円墳です。

古墳時代前期(およそ3世紀半ば~4世紀後半)のうち、前期前葉に築造されたと推定しています。

長尾山古墳の粘土槨。 人と比べると、その大きさがよくわかります。

埋葬施設は、被葬者の遺骸をおさめた棺を粘土でパックした、「粘土槨(ねんどかく)」とよばれるものです。

この長尾山古墳の粘土槨は、全国的にみても大規模かつ入念な構造をしており、摂津地域では最大級といえます。
墳丘規模が比較的小さいことを考えあわせれば、破格の規模といえるでしょう。

通説として、粘土槨は、竪穴式石室を採用する被葬者より1ランク低いランクの者が採用したと考えられています。その点で、長尾山古墳をみおろす位置にある万籟山古墳で竪穴式石室が採用されていることは興味深いものといえます。

 

とはいえ、精選した粘土を多量に用意することは大変です。ましてや、長尾山古墳の例のような大規模なものはなおさらです。

石材を多量にもちいる竪穴式石室とはまた違った大変さが粘土槨にはあるといえます。このあたりも今後考察を深めていく材料になりそうです。(N)

 

発掘調査あとのたのしみ

こんばんは。本日のブログ担当はNです。

本日は午前はぐずついた天気でしたが、午後からは作業しやすい天候となりました。今日も引き続き、出土した葺石を図面に描いていく作業を行いました。

水糸と呼ばれる糸で、方眼紙のような格子目を実際に発掘現場に張り巡らし、それをもとにコンベックス(メジャー)で測りながら図を完成させていきます。

 

傾斜にものともせず、しっかりと石を観察し、測っていきます。

 

さらに、晴れて完成した平面図(発掘現場を真上から見た図面)に何やら書き込んでいます。

これは葺石の標高を測っているところです。完成した平面図は二次元の情報なので、一つ一つの石の重なり方、傾きなどが分かるように石の高さを測り、書き込んでいく必要があります。

~時は過ぎて夕飯の時間~

本日も夕飯を楽しみに宿舎に戻る調査団員、、、

宿舎に戻り、調査団員が目にしたものは、、、

、、、

なんと鰻です!!

ウナギ目ウナギ科ウナギ属のあの鰻です!

「鰻を差し入れる」との公約をのこし、卒業された先輩が公約実現で差し入れてくださいました。

美味しそうな匂いを漂わせながら焼かれるさまは流石鰻といったところです。

脂がのったおいしい鰻です。

しっかり焼いて、おいしくいただきました。

お酒もあります。福永先生より森伊蔵の差し入れ。奈良の先輩より三諸杉の差し入れ。

飲めども尽きず、酌めども変わらぬ春の夜 ですね。

さまざまな方の助けのもと、発掘調査はすすんでいきます。(N)

春の使者きたる

こんばんは。ブログ担当のN.Uです。

今日は春の訪れを感じさせる、穏やかな天気でした。

さて、万籟山古墳の”万籟”って、どういう意味かご存知でしょうか?

草木やさまざまなものが、風に吹かれて立てる音をさす言葉だそうです。「籟」の字は、ひびきをあらわすので、すべての物音ということで万籟ということになるのだそうですが、この一週間の万籟山古墳は、その名のとおり、風が吹きすさび、草木のざわめきにつつまれての調査でした。そのなかで今日は、寒さの一休みといったような春の日。

本日も引き続き、図化作業をはじめとした各作業を行っています。
測量機器を用いる回数も増えてきています。

 

さて、作業をしていると、トレンチの近くから「コン、コン…」という不思議な音が…

ご覧ください!キツツキです。

普段目にすることができない鳥をみて、一同興奮を隠せませんでした。

さすが万籟山、さまざまな音がきこえてきます。

そんなことを考えつつ、図化作業もはかどり、そのチェック作業もすすめます。

図化した遺構を直接みれるのは現場作業をおこなっている時間だけですので、書いたその場で、実際の遺構と、作図したものを照らし合わせます。

 このタイミングで、微妙な数値のずれなどを補正することが重要です。

 

また、現場から帰ったあとにも、その日にとった図面をしっかり確認し、線の微修正などを行います。

このように図化作業は、入念な手順が不可欠なのです。

調査も後半戦ですが、少しでも多くの情報を得られるよう、調査団員一同頑張ります!(U)

大切な図化作業

こんばんは。ブログ担当のUです。

連日の快晴で、現場からは毎日すばらしい眺めをみることができています。

万籟山古墳からのパノラマ写真

 

さて、作業も進み、多くの土を掘りだす作業よりも、図化などの作業がメインになりつつあります。

 

写真は、堀ったトレンチの壁面で観察できる、土の堆積の状況を図化しているところです。こうした図面を「断面図(だんめんず)」と呼んでいます。

古墳のつくられ方や、つくられて以降どのように埋没していったのか、などといった情報を復元するためには、土層の堆積状況をしっかりと把握することが重要です。

土を掘りながらつねに壁面を確認し、自分がいま掘っている土がどのような土であるのかを考えてゆくことが不可欠なのです。

調査区は基本的に、調査が終わると埋め戻してしまったり、工事に先立つ調査であれば破壊されてしまいます。ですから、こうした図化作業は、調査に携わったり、見学できない多くの方に客観的な情報を提供する重要な情報源でもあります。
これらの各種図面や写真、出土した遺物の情報をまとめたものが、いわゆる「発掘調査報告書(はっくつちょうさほうこくしょ)」と呼ばれるものです。

専門的な知識なくしては、なかなかとっつきにくい本ではありますが、機会があればぜひ開いてみてください。

 

また、出土した葺石を図化する前には、かくべき石の形がはっきりわかるよう、すきまの土を取り除かなければなりません。

根気のいる作業ではありますが、頑張っています!

 

 

さて、宿舎に戻ると何かが届いていました。

 

いったい何なのでしょうか…

見当もつきません。開いてみましょう。

 

 

お肉でした!!さっそく焼き肉にしていただきます。ニンニクで香りづけ。
疲労した筋肉に、雄大な亀岡の大地で育った牛肉のタンパク質が染みわたります…調査団員が2年間かけてあみだした至極の野菜炒めとともに最高の夕食となりました。

このほかにも、OB・OGさんをはじめたくさんの方から、差し入れを頂いております。ありがとうございます!(U)

歴史のロマンを感じる一瞬

こんばんは!ブログ担当のUです。

調査も中盤となり、各種作業も山場を迎えています。

葺石の検出作業では、斜面の一番下に置かれる、通常より大きな「基底石(きていせき)」も見つかってきています。

上の写真で下段にある大きな石が基底石です。

斜面に葺かれた葺石が、古墳をつくったときどの範囲までほどこされていたのか、などの情報は、こうした基底石の存在から判明することも多いのです。

また調査区写真の撮影にむけて、調査区の周辺もきれいにしています。


トレンチ内に飛び出した木の根っこも、丁寧に除去しなければなりません。


地道な作業ですが、頑張っています!

調査も中盤で疲れがたまってきているところですが、ケガのないように気を付けて頑張りたいと思います。

 

 

~~おまけ~~

何の変哲もない宿舎のお風呂場。

ステンレスの浴槽があります。

何の変哲もないステンレスの浴槽

 

これをよくみると…

 

姿をあらわした壁画

なんとエジプト絵画が!

歴史のロマンを感じた一瞬でした。(ウ)